51 奈良(なら)駅 (JR西日本)
所在地:奈良県奈良市三条本町1-1
所属・路線:西日本旅客鉄道株式会社・関西本線
電報略号:ナラ
概要:
奈良市におけるJRの中心駅であり、京都・天王寺方面へ向かう快速列車が多数発着している。第3回近畿の駅百選に選定されている。
平成22(2010)年の平城遷都1300年記念事業を目処に行われていた駅周辺の土地区画整理事業とあわせて、当駅の高架化事業が行われ、同年3月13日に最後まで地上のりばから発着していた桜井線が高架化された。
なお、近鉄奈良線の近鉄奈良駅は、当駅から約900mほど東に位置している。区分けのため駅の呼び名は「JR奈良駅」。乗降客数は市中心部に位置する近鉄奈良駅の方が多い。
乗り入れ路線:
当駅に乗り入れている路線は、
関西本線 - 当駅の所属線であり、「大和路線」の愛称区間に含まれている。
桜井線 - 当駅を起点としている。「万葉まほろば線」の愛称が設定されている。
線路名称上、当駅に乗り入れている路線は以上の2路線であるが、これらに加えて関西本線木津駅を起点・終点とする以下の2路線の列車も乗り入れている。
奈良線 - 全列車が当駅まで乗り入れる。
片町線 - 「学研都市線」の愛称がある。早朝・深夜の2往復のみが乗り入れる。
歴史:
明治23(1890)年12月27日 - 大阪鐵道 (初代) 王寺駅 - 当駅間の開通時に、同線の駅(一般駅)として開業
明治29(1896)年4月18日 - 奈良鐵道 木津駅 - 当駅間の開通時に、同線の駅開業
明治32(1899)年10月14日 - 奈良鐵道線が京終駅まで開通
5月21日 - 関西鐵道 大仏駅 - 当駅間の開通時に、同線の駅開業
明治33(1900)年6月6日 - 大阪鐵道が関西鐵道に合併
明治38(1905)年2月7日 - 奈良鐵道が関西鐵道に合併。これを以って関西鐵道の単独駅となる。
明治40(1907)年8月21日 - 関西鐵道線 加茂駅 - 大仏駅 - 当駅間廃止
10月1日 - 関西鐵道国有化され、国有鉄道(当時は帝國鐵道廰)の駅になる。
明治42(1909)年10月12日 - 線路名称制定により、関西本線所属となる。
昭和9(1934)年 - 寺院風の駅舎完成
昭和20(1945)年7月22日 - 空襲による被害を受ける。
昭和59(1984)年2月1日 - 貨物営業廃止(旅客駅となる)
昭和62(1987)年4月1日 - 国鉄分割民営化により西日本旅客鉄道(JR西日本)の駅となる。
7月31日 - 駅舎のライトアップが始まる。
平成15(2003)年9月7日 - 高架化工事のため仮駅舎に移転
11月1日 - ICカード「ICOCA」供用開始
平成17(2005)年9月11日 - 高架化工事のため仮線・仮設ホームでの営業を開始(当初は同年5月22日の予定であったが、福知山線脱線事故の影響により延期された)
平成18(2006)年7月7日 - 構内遺跡の存在が発表される。
平成20(2008)年6月29日 - 関西本線ホーム高架化
平成22(2010)年3月13日 - 桜井線ホーム高架化され、駅機能がすべて高架部に移設
10月3日 - 東西自由通路開通し、ビエラ奈良が先行オープン
平成23(2011)年 - 駅東口デッキに屋根設置
平成24(2012)年3月2日 - ビエラ奈良全面開業
平成25(2013)年3月 - 連続立体交差事業完了
連続立体交差事業:
JR奈良駅周辺は、かつて関西本線(大和路線)と桜井線が地上を走っており、奈良市の旧市街地を東西に分断しているため奈良市都市部の発展を妨げていた。また、これらと交差する跨線橋も狭く、周辺道路の交通渋滞が激しく起こっていた。そのため、街の再生と交通の円滑化を図るため、平城遷都1300年にあたる平成22(2010)年の高架完成を目指し、平成14(2002)年から連続立体交差が進められ、周辺土地区画整理事業(シルクロードタウン)や3箇所の高架橋道路の平坦化が行われていた。
平成15(2003)年9月6日まで使われていた二代目駅舎は昭和9(1934)年に完成したもので、周囲の景観に配慮して方形屋根に相輪を持つ和洋折衷様式が採用されている(タイトル写真及び右写真)。大阪鐵道局建築課が京都帝室美術館(*筆者注、恩賜京都帝室博物館の誤り。現、京都国立博物館)懸賞設計に応募し落選した設計案を再利用したものだった。高架化に伴い取り壊される予定であったが、その歴史的価値から反対の声は根強かったこともあり、曳家によって元の位置から18m移動された上で保存され、奈良市総合観光案内所として利用されている。また、旧駅舎のホールにはなら・シルクロード博覧会に出品されたサモトラケのニケのレプリカ像が飾られていたが、駅舎移設に際して奈良市立一条高等学校に寄贈されている。地上駅時代は乗り換え跨線橋で東西を結んでおり、東西2箇所に改札口があった(大和路線)。
駅構造:
平成22(2010)年10月に完成した3階建ての駅舎の高架駅で、改札口は高架化を機に2階の1ヶ所に集約し、3階がホーム、2階は駅業務施設と商業施設、1階は商業施設が設けられている。ホームと線路の配置は島式ホーム3面5線の構造である。
駅舎ファサードの基本コンセプトは『「奈良らしさの表現」―青丹よし―』であり、3階のホームの側壁には五色のカーテンウォールが設置され(左写真)、「青丹よし」を現代的に表現している。ホーム部分には寺社の伽藍をイメージした飾り鉄柱を設置、サーモンピンクに塗られている。飾り柱の上には、垂木をイメージした装飾も設置されている。また、2階部分外装は白壁を意識した白塗り、1階部分外装は近隣のなら100年会館のような瓦をイメージした黒タイル張りとなっている。
内装は、改札内は無装飾であるが、改札外部分は天井には格天井を意識した装飾(右写真)が、また柱は吉野杉で美装されており、一部柱には組物を思わせる装飾が施されている。また、柱からは釣灯篭を思わせる照明も吊るされている。
駅舎構内には1階・2階部分に幅員20mの自由通路が作られ、西口2階はデッキと接続、東口2階はJR奈良駅NKビルと接続した上で、1階に降りる階段とエスカレーターが設置されている。また、平成22(2010)年10月3日には、1階自由通路南側には商業施設「ビエラ奈良」が開業し、2012年3月2日に自由通路北側の1・2階部分に「ビエラ奈良」の第2期分が増床オープンした。
当駅は駅長が配置された直営駅であり、管理駅として関西本線の加茂駅・木津駅・平城山駅、片町線の西木津駅、佐保信号場を管理している。
のりば:(路線名は旅客案内に合わせて愛称で記述)
1番のりば 万葉まほろば線 天理・桜井・高田・和歌山方面
大和路線 王寺・天王寺・JR難波方面(早朝のみ)
番号なしホーム 大和路線 王寺・天王寺・JR難波・大阪方面
2番のりば 大和路線 王寺・天王寺・JR難波・大阪方面
3番のりば 大和路線 王寺・天王寺・JR難波・大阪方面 / 大和路線 木津・加茂方面(一部)
奈良線宇治・京都方面
4・5番のりば 学研都市線 同志社前・長尾・四条畷方面
奈良線 宇治・京都方面
1番のりばと同一ホームの反対側は、数字のないのりばとなっている。2番のりばに到着する列車は両側で客扱いを行い、大和路線下り列車と万葉まほろば線の列車との同一ホームで乗り換えることができる。2番のりばへの到着時には、2番のりば側の扉が先に開き、発車時はのりば番号なし側の扉が先に閉まる。
バス路線:
一般路線バス:一般路線はすべて奈良交通によって運行されており、多くの路線が近鉄奈良駅も経由する。なお、かつては近畿日本鉄道や京阪バスの京都駅行など、比較的運行距離が長い路線も発着していた。
平成27(2015)年7月16日現在の奈良駅を発着する主なバス路線([]内は系統番号)
JR奈良駅
東口1 [9] 四条大路南町
[44][50][82][92][192][250]天理駅
[51] 下山
[53] 窪之庄
[55] 奈良佐保短期大学
[56][58][62] 山村町
[57][59] 藤原台
[61] 鹿野園町(ろくやおんちょう)
[73] シャープ総合開発センター
[122] 下水間(しもみま)
[123] 奈良春日病院
[124] 北野
東口2 [2][深夜2] 市内循環外回り(近鉄奈良駅・県庁前・大仏殿春日大社前方面)
[7][70][97][98] 春日大社本殿
[72][87] 高畑町
東口3 [19][40][43][48][79][85][86][135] 近鉄奈良駅
[20][22][23][63][90][136] 県庁前
東口4 高速バス/エアポートリムジンバス/定期観光バスのりば
東口5 [1] 市内循環内回り(八軒町・田中町・紀寺町・高畑町方面)
東口6 [22] 県立図書情報館
[23] 済生会奈良病院
[43] 県総合医療センター
[48] 学園前駅(南)(尼ヶ辻駅経由)
[52][97] 法隆寺前
[63][70][72] 六条山
[88] 近鉄郡山駅
東口7 [16][19] 杏(からもも)中町
[79][深夜79][87][90] シャープ前
[85] 杏南町
[86] イオンモール大和郡山
[135][136] 白土町(しらつちちょう)
東口8 (おりば)
JR奈良駅西口
西口11 [27][81][118][深夜118] 青山住宅
[153] 州見台(くにみだい)八丁目
西口12 [9] JR奈良駅東口
[9][10] 四条大路南町
[28][161] 近鉄奈良駅
[31] 南福祉センター(西循環)
[160] 高畑町
西口13 [27] 二条大路南一丁目
[28] 恋の窪町
[81] 大安寺
[160][161] 学園前駅(南)(阪奈菅原経由)
西口14 (おりば)
西口15 [12][14] 西大寺駅
[13][131] 航空自衛隊
[108][208] 南加茂台五丁目
[109][209] 加茂駅
[急行112] 浄瑠璃寺
[115] 高の原駅
[130] 平城山駅東口
西口16 [77] 緑ヶ丘浄水場
[94] 石打
[96] 下狭川(しもさがわ)
[100] 柳生
[102] 邑地中村(おおじなかむら)
[105][106] 広岡
※平成25(2013)年3月16日までは東口での発着が主だったが、奈良市のJR奈良駅東口駅前広場の整備工事に伴い、同年3月17日より東口発着の一部路線が西口発着に変更された。
※平成27(2015)年4月1日より、JR奈良駅東口駅前広場の整備完了に伴い一部系統の乗り場が移動し、西口の乗り場番号が東口と重複しないよう変更された。
高速バス・リムジンバス:すべて東口4番のりばから発車する。
西日本ジェイアールバス
「プレミアムドリーム号」(西日本JRバス・JRバス関東):東京駅日本橋口・東京ディズニーランド(TDL) 行
「青春エコドリーム号」(西日本JRバス・JRバス関東):東京駅日本橋口行
奈良交通
「やまと号」奈良新宿線(奈良交通・関東バス):新宿高速バスターミナル・京王プラザホテル 行
「やまと号」千葉線(奈良交通・京成バス):京成上野駅・東京ディズニーリゾート(TDL)・海浜幕張駅 行
名古屋線(奈良交通・名鉄バス) :名鉄バスセンター(名鉄名古屋駅) 行
関西国際空港線(奈良交通・関西空港交通) :関西空港第1ターミナル・第2ターミナル 行
大阪(伊丹)空港線(奈良交通・大阪空港交通) :大阪空港 行
東京富士交通
「ナイトライナーアルファ」(東京富士交通):新宿・東京駅行
(参考資料:Wikipedia 平成28(2016)年1月22日更新)