78 (大森)天祖神社(てんそじんじゃ) 東京都大田区鎮座
鎮座地:東京都大田区山王2-8-1
御祭神:天照大御神、豊受大神
相殿神:天手力男神、万幡豊秋津姫命
社格等:旧無格社
由緒:
草創の年代は明らかではないが、享保年間(1716~36)地元の人々が伊勢講を組織し、伊勢神宮に参詣して御分霊を受けたことにはじまるという。当時は神明社と称し、別当は円能寺であった。明治初年の神仏判然令で円能寺の管理から離れ、「天祖神社」と改称した。
八幡太郎義家が奥州征伐におもむく途中、この社で戦勝の祈願をしたが、 そのときに境内にあった松の木の枝に鎧を掛けたと言われる”鎧掛の松”の伝説がある。 この松の木は安藤広重の絵になって、八景坂とともに名勝として広く世間に知られていたが、残念ながら枯れてしまった。 昭和の初めまでは境内に根株だけが残っていたそうだが、今はその痕跡もない。
JR大森駅の西口に出ると、八景坂(池上通り)をはさんで鎮座する。以前あった御朱印や神社の由緒書は「神明山天祖神社」となっているが、本務社である天祖・諏訪神社のサイトには「八景天祖神社」となっている。八景坂に面していることによる通称であろうと思われる。
参道の石段脇には「八景碑」がある。文化13(1816)年名主の大野貫蔵が建てたもので、近江八景に倣った「笠島夜雨、鮫洲晴嵐、大森暮雪、羽田帰帆、六郷夕照、大井落雁、袖浦秋月、池上晩鐘」の大森八景が刻まれている。
現在御朱印対応はしていない。
境内社:稲荷神社