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97 稲沢(いなざわ)駅

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所在地:愛知県稲沢市駅前一丁目9-1
所属・路線:東海旅客鉄道株式会社・東海道本線/ 日本貨物鉄道株式会社・東海道本線

概要:
旅客営業を行うJR東海と貨物営業を行うJR貨物が使用し、旅客列車が停車する旅客駅としての側面と、貨物列車の運行拠点たる貨物駅としての側面を併せ持つ駅である。東京駅と神戸駅を結ぶ東海道本線の中間駅の一つであるが、今日では両駅へ向かう旅客列車は停車せず、名古屋駅方面と岐阜駅方面を結ぶ普通列車が主に当駅に停車している。この東海道本線は、東海地方ではJR東海が施設を保有して旅客列車を運行し(このような事業者を第一種鉄道事業者という)、JR貨物が施設を借りて貨物列車を運行する(同様に第二種鉄道事業者という)、という体制をとる。
開業は、明治末期の37(1904)年のことである。昭和62(1987)年の国鉄分割民営化で、開業時から続いた国鉄の単独運営から、現在のようなJR東海・JR貨物の2社が運営する形態に移行している。また大正時代には「日本三大操車場」に数えられる稲沢操車場が構内に建設され、貨車を整理する拠点の一つとなったが、これは輸送方式の転換によって民営化前に廃止された。
駅は、名古屋市近郊の都市、稲沢市の東部に位置する。豊橋から名古屋、岐阜の間にはJRの東海道本線に並行して名古屋鉄道(名鉄)の名古屋本線が通っているが、この路線にある国府宮駅の方が当駅よりも市の中心部にあり、乗車客も国府宮駅には及ばない。

歴史:
年表
明治37(1904)年8月5日 - 逓信省外局鐵道作業局(後の国鉄)の駅として開業。
明治40(1907)年4月18日 - 旧清洲駅から当駅を経て木曽川駅まで至る区間が複線化。
大正14(1925)年1月16日 - 稲沢操車場開業。名古屋駅から当駅までの間に稲沢線(単線)を敷設。
昭和18(1943)年9月 - 稲沢線が複線化され、名古屋駅から当駅までは複々線となる。
昭和28(1953)年3月 - 二代目の駅舎に改築
 11月11日 - 名古屋駅から当駅までの旅客線を電化。
昭和30(1955)年7月20日 - 当駅から米原駅までを電化。
昭和40(1965)年5月15日 - 駅前広場が完成。
昭和44(1969)年10月1日 - 荷物の配達の取り扱いを廃止。
昭和59(1984)年2月1日 - 荷物の取り扱いを廃止。
昭和61(1986)年11月 - 稲沢操車場廃止。
昭和62(1987)年4月1日 - 国鉄分割民営化により、JR東海及びJR貨物が継承。
平成10(1998)年3月30日 - 稲沢線電化。
平成12(2000)年4月22日 - 橋上駅舎と自由通路が完成(上写真)。
平成15(2003)年4月7日 - 東口の駅前広場が完成。
平成18(2006)年11月25日 - TOICAの利用が可能となる。

開業の経緯:
『新修稲沢市史』によれば、稲沢駅新設の経緯は以下のとおりである。
明治19(1886)年5月1日、初代清洲駅から一ノ宮駅(現、尾張一宮駅)に至る現在の東海道本線の一部にあたる区間が開業した。この時、この区間には途中駅が設置されなかった。稲沢市の前身にあたる稲沢町や下津村では旅客や貨物の需要が見込めることから、路線開業の翌20(1887)年よりこの区間への駅新設に向けた請願を行った。しかし、清洲駅および一ノ宮駅から近く、かつ、地形が平坦で交通の便が悪いとはいえない、と判断されて実現しなかった。
東海道線の複線化が進むと、五条川への架橋により清洲駅前後が急勾配となり、蒸気機関車の発車に障害をきたしているため、清洲駅が移転するのではないかと考えられた(実際に明治39(1906)年に移転し、枇杷島駅へ改称する)。同駅が名古屋駅方面へ移転すると駅間距離が伸びるため、近隣駅に近いため駅を設置しない、という考えが変わるのでないか、と考えられ再び請願が行われた。この請願は認可され、下津村、山形村(現、稲沢市)長野に駅が新設される運びとなった。用地買収は稲沢町と下津村が共同で担当。駅の建設中に下津村側が駅名を「下津駅」とするよう求めたが、結局駅名は稲沢駅に落ち着いた。そして明治37(1904)年に稲沢駅は、1面2線のホームと駅舎、それらを結ぶ跨線橋が完成して開業した。

名鉄国府宮駅の影響:
稲沢駅西方にある名鉄国府宮駅の開業は、稲沢駅よりも20年遅い大正13(1924)年2月のことである。当時は国府宮と一宮を結ぶ区間のみが開通していただけであったが、昭和3(1928)年4月に南方に線路が伸び名古屋市内への直通運転を開始した。当時の東海道本線は長距離優先のダイヤ設定で、短距離では名鉄のほうが利便性が良かったため、稲沢駅の乗客は次第に減少。昭和5(1930)年以降、稲沢駅と国府宮駅の乗降客数は逆転し、国府宮駅の方が上回ることになる。
第二次世界大戦後、国鉄が長距離列車を中心に復興を進める一方で、名鉄は名古屋方面への近距離客の利便性を確保したダイヤを設定したため、稲沢駅と国府宮駅の乗降客の差は2倍近くに広がった。また、稲沢駅では定期券利用客を中心となったが、国府宮駅では定期券利用客のみならず一般利用客も増加していった。

営業範囲の変遷:
開業当初の稲沢駅は、一般駅と呼ばれる旅客、荷物、貨物の3種類を取り扱う駅であった。現在では旅客、貨物営業が継続され、荷物営業は廃止されている。
荷物は、宅配便に相当する「小荷物」と、旅客の荷物を扱う「手荷物」があったが、稲沢駅ではその両方を取り扱っていた。基本的に荷物は配達も実施されていたが、昭和44(1969)年10月に取り扱いが廃止された。荷物の取り扱いそのものも、国鉄荷物輸送の原則廃止(昭和61(1986)年11月)に先立つ59(1984)年2月に廃止された。
一方貨物は、種別が「コンテナ貨物」と「車扱貨物」の2つに分類された昭和49(1974)年10月の制度改定以降、車扱貨物のみを取り扱っている。

駅構造:
稲沢駅は全長5.85km、最大幅160m、敷地面積21万6千m²の構内を持つが、大半を貨物列車向けの施設が占め、旅客列車用の施設は、稲沢市駅前一丁目を中心とする地域にあるのみである。以下、旅客用の施設と貨物用の施設を分けて記述する。どちらも地上に施設がある地上駅という形態である。
なお、名古屋駅と稲沢駅の区間は、線路が4本敷設されている(複々線区間)。西側の2線は旅客列車が常用する路線(以下「旅客線」)、東側の2線は貨物列車が原則使用する路線(通称「稲沢線」)である。稲沢線は当駅が起終点で旅客線に合流(分岐)するが、その場所は構内の北側にあたる。稲沢線下り線は旅客線の上下線を跨いだ後駅ホームより2kmほど北側で下り線に合流し、稲沢線上り線は駅ホームより3.5kmほど北側で旅客線の上り線から分岐する。

旅客駅
旅客駅にあるホームは1面のみで、その両側を旅客線の上下線計2線が囲む島式ホームという形式をとる。ホーム西側の下り線側が1番線、その逆側(東側)の上り線側が2番線である。1番線には岐阜・大垣方面行きの下り列車が、2番線には名古屋方面行きの上り列車が停車する。
駅舎は、ホームの上階部分に建設された橋上駅舎で、併設された東西自由通路(跨線橋)で東口および西口(上写真)に繋がる。平成12(2000)年に、構内西側にあった地上駅舎から建て替えられた。ドーム状の膜屋根を特徴とする駅舎(上写真白い部分)で、JR東海によれば、稲沢市の姉妹都市であるギリシャ・オリンピア市からイメージされる「丘」をキーワードとしたデザインだという。みどりの窓口(一部、業務を休止する時間帯あり)および自動券売機、自動改札機設置駅。バリアフリー関連の設備では、改札内に多機能トイレ(車椅子及びオストメイト対応ベビーシート備付トイレ)があり、駅舎とホームの間にエレベーター、エスカレーターが、東西自由通路の東西両口にエレベーターがある。また、キヨスクが構内の改札前で営業している。
有人駅で駅員の配置がある。ただし、JR東海の直営ではなく、子会社の東海交通事業の駅員が配置されている業務委託駅である。駅長配置駅(直営駅)の尾張一宮駅の管理下にある。

貨物駅
貨物列車が用いる施設は、一部例外があるものの、おおむね稲沢線の上下線に囲まれた場所にある。貨物用の施設が広い構内の多くを占める。
貨物列車が到着・発車に使用する着発線・出発線は、旅客駅と南の清洲駅のほぼ中間に位置する。着発線・出発線群の北側から旅客ホームにかけては留置線が広がり、車両基地の愛知機関区(旧、稲沢第一・第二機関区)の施設も留置線群の一角にある(タイトル写真)。JR貨物の事務室は構内東側でJR東海の駅舎とは独立しており、駅長も配置されている。また、旅客駅西側にはJR貨物の東海支社が建つ。乗務員の交代は基本的に貨物の着発線で行われるが、旅客線を通る夜間の列車には旅客ホームで交代する場合がある。
当駅に接続する専用線は、昭和58(1983)年時点では昭和石油と住友セメント(後の住友大阪セメント)のものがあった。住友大阪セメントの専用線は機関区の近くから同社稲沢サービスステーションへと続いており、本巣駅や近江長岡駅よりセメント輸送列車が到着していたが、平成14(2002)年9月をもって廃止された。

バス路線:
名鉄国府宮駅からは名鉄バスの路線バスの運行があるが、稲沢駅前を発着するバスは稲沢市が運営するコミュニティバス(稲沢市コミュニティバス)のみである。稲沢駅の西口前を発着する。

(以上、記事内容 Wikipedia:平成27年1月7日更新から)
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by fbox12 | 2015-03-19 20:00 | 鉄道・バス