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fbox12 blog (博物館fbox12 館長の資料収蔵庫)

Torys WHISKY SQUARE

Torys WHISKY SQUARE_a0057057_11214075.pngミニチュアボトルコレクション637

酒類:(酒税法上)蒸留酒類(ウイスキー)
酒類通称:ブレンデッド・ウイスキー
原材料:大麦
度数:37%
容量:50ml
製造所:サントリー株式会社(現、サントリースピリッツ株式会社:平成21年4月1日よりサントリーホールディングス株式会社傘下)(東京都港区台場2丁目3番3号:サントリースピリッツ株式会社本社所在地)
製造販売:平成15(2003)年3月18日発売開始〜平成19(2007)年販売終了

歴史:
寿屋の創業者である鳥井信治郎は、明治40(1907)年に赤玉ポートワインを発売し、同社の土台を築くと共に、海外からさらなる洋酒を国内に広めるべくヒントを得ようとしていた中で、ある時海外からウイスキーとは名ばかりの模造アルコールに近い商品を手にする。当然これでは売り物にならないため、葡萄酒用の樽に寝かせておいた。
数年後、この液体は琥珀色に熟成し、鳥井はそれがウイスキーであることを確信した(ただし、現在の基準ではウイスキーとは認められないものである)。その後、この液体を「トリス」と名付けて売り出したところ、あっという間に売れた。これを機に、鳥井は国産初のウイスキー製造に乗り出す決意を固め、大正12(1923)年、京都と大阪の境、山崎に蒸留所の竣工に踏み切ることになる。
トリスウイスキーとしての発売は、戦後の昭和21(1946)年である。当初は原酒を5%入れていたが、徐々に原酒の配合割合を上げる営業策が取られ、やがて10%に引き上げられて二級ウイスキーとして発売されている。
ウイスキーメーカーとしてのサントリーの原点となる洋酒であり、またロングセラーのブランドとして重視されている。従来は、1960年代に若者であった層に愛飲者が多かったが、平成15(2003)年にラインナップを一新したことにより、新たな若者層にも愛飲者を拡大させている。
さらに、平成21(2009)年頃からのハイボールブームに乗る形で、翌22(2010)年9月にこれまでのラインナップを刷新し、よりハイボールに合うキレのある味わいに仕上げた「トリス<エクストラ>」と同製品をベースにした「トリスハイボール缶」を発売した。

年表:
大正8(1919)年 - 最初の「トリスウヰスキー」が発売される。初代トリスは、果実酒から作られたもので、現在の酒税法ではブランデーとしての扱いになる。
昭和21(1946)年 - 「トリスウイスキー」が発売される。
昭和24(1949)年 - トリスウイスキーの広告が掲載されるようになる。
昭和33(1958)年 - イメージキャラクターアンクルトリスが発表される。
昭和35(1960)年 - 初の缶入りハイボール「トリスウイスタン」発売。180ml・アルコール12%、60円。洋酒の寿屋60周年記念商品であった。
平成10(1998)年11月 - 2700mlペットボトル・4000mlペットボトルの大容量サイズ「でかトリス」を発売。
平成12(1999)年3月 - パッケージデザインリニューアル(カタカナ表記が追加される)。
平成12(2000)7月 - 「でかトリス」の2700mlペットボトルが環境配慮型に変更(取っ手部の廃止とタックラベルの採用)。
平成15(2003)
年(平成15年)3月 - 「トリスウイスキー スクエア」を発売。同年4月に180ml入りのポケット瓶を追加。
平成16(2004)年5月 - 「でかトリス」を刷新した「トリスウイスキーブラック」を発売。
平成17(2005)年1月に640ml瓶と1800ml紙パックを追加。
平成19(2007)年 - 「トリスウスキー スクエア」販売終了。
平成22(2010)年9月 - 「トリス<エクストラ>」とそれを使用した「トリスハイボール缶」を発売。本製品の発売に伴い、「トリスウイスキー」及び「トリスウイスキーブラック」は製造終了となった。
(以下省略)

その他:
Torysの語源は、鳥井信冶郎の名に由来し、「鳥井の」という意味を持つ。しかし、最初に発売されたトリスは、模造ウイスキーに近いような品質であったことや、またウイスキー自体が麦を仕込んで、原酒を寝かせてから、発売されるまでに時間が掛かることもあり、戦前に「トリス」の名を冠された製品は、主に紅茶やカレー粉など、ウイスキーとは違うものにブランド名として付けられていた。昭和21(1946)年、敗戦直後の混乱期の中で、出どころの知れない粗悪なアルコール類を牽制すべく、ようやくブレンデッド・ウイスキーとしてのトリスウイスキーが誕生することになる。
昭和25(1950)年頃に「うまい」「安い」のキャッチフレーズで発売開始。現在でも根強い人気がある。また、柳原良平がデザインしたイメージキャラクター「アンクルトリス」は、中年の男性をユーモラスに表現したキャラクターで、1960年代の酒類の広告キャラクターの中でも認知度が一番高い。
また、トリスを中心に、サントリーが製造販売しているウイスキーを出す、ウイスキーバーは愛称トリスバーと呼ばれ、気軽な値段の庶民酒場として1960年代を中心に人気を博した。最盛期に比べると、数は減少したものの、現在も各地で営業を続けている。「トリハイ」と呼ばれる、トリスウィスキーを使用したハイボールが人気メニューのひとつであり、食事のメニューはややクラシックな洋食が中心となっている。
昭和30(1955)年 - 37(1962)年には、後楽園球場のレフトフェンス(ポール付近)に「トリスウイスキー」の広告が登場、テレビ放送の草創期であることも相俟って、プロ野球テレビ中継において一塁側スタンド上のカメラがレフトへ飛んだ打球を追う度「トリスウイスキー」の文字が映し出され、大きな宣伝効果をもたらした。なお、昭和38(1963)年からは、新発売された「サントリービール」に取って代わられたが、こちらも東京ドーム開場初期まで続いた。
昭和36(1961)年には、「トリスを飲んで、ハワイへ行こう!!」というCMが放送された。これは、トリスウィスキーを購入すると抽せん券が同封されており、当せん者は所定のあて先に応募すると、ハワイ旅行の資金(積立預金証書)が贈呈されるというものだった(当時は、まだ一般市民の海外渡航には制約があったため)。昭和39(1964)年に、海外旅行の自由化がなされ実施されたものの、実際に旅行に行った人は100名の当選者のうち30名程で、当選者のほとんどは預金証書を旅行に使わず現金化している。
「Torys」の書体は発売当初から昭和40(1965)年頃まではやや筆記体だったが、昭和40年代前半はゴシック文字、後半からしばらくは明朝体に変化していくが、次第に当初から使用された筆記体に戻された。

(以上記事内容 Wikioedia:平成27年1月16日更新から)
by fbox12 | 2015-03-11 12:07 | コレクション