fbox12 blog (博物館fbox12 館長の雑記帳)

103 FUJITSU MICRO 7(FM-7)

私的文化遺産 整理番号103
a0057057_18461240.jpgFUJITSU MICRO 7(通称 FM-7)は富士通が発売した8ビットパソコン。
当時、富士通はこのFM-7のヒットにより、シャープ、NECと共にパソコン御三家と呼ばれる様になった。

昭和57(1982)年11月、FM-8の廉価版後継機種として発売された。開発時の名称はFM-8Jr.(ジュニア)。FM-8と一定の互換性があり、アプリケーション、OS(CP/M、FLEX、UCSD Pascal、OS-9)、開発言語、ツール、周辺機器の資産継承が考慮されていた。FM-8を含んで、FM-7/8シリーズと呼ばれ、CPUの高速化等、実質的にはFM-8の性能が向上した後継機にあたる。
モトローラ社のMPU 68B09をメインCPUとグラフィックを独立制御するディスプレイサブシステムへそれぞれ搭載する2CPUのアーキテクチャを採用。FM-8と同様にオプションのZ80カードが搭載可能になっており、CP/Mや、Oh!Xで使われたS-OS"SWORD"など、Z80CPUベースのシステムを動作させることも可能になっていた。このZ80カード用スロットは後にユーザベースで63C09を搭載するのにも使われた。F-BASIC V3.0がROMに搭載されている。漢字ROMカード、フロッピーディスクドライブはオプション。
発売当初のイメージキャラクターはタモリ。キャッチコピーは「青少年は興奮する」。 競合機種と同等のカラー表示にPSGがつき価格が安かったことから、FM-7は一定の普及をみて、富士通をパソコン御三家の地位にまで押し上げた。FM-7に端を発する低価格・高性能という路線はPCユーザ拡大に貢献し、'80年代パソコンブームの原動力となった。
FM-7が販売面で成功したのは本体価格が126,000円という低価格にも関わらず、当時の最新機能を盛り込み1クラス上のPCに匹敵または凌駕する性能を備えていたことにある。同時期の人気機種は、NEC PC-8801(228,000円)、PC-9801(298,000円)、日立 ベーシックマスターレベル3(298,000円、後に価格改定)。学生を中心に人気があった「パピコン」ことNEC PC-6001(89,800円)やコモドールVIC-1001(69,800円)などの初心者PCのユーザー層にも大きな影響を与え、その成功から、FM-7を引き継ぐ形で、後継機が完全上位互換で作られていく形になる。
FM-8から引き続き、広いメモリ領域とVRAM領域の確保と処理速度向上のためにメイン(演算部)、サブ(グラフィック部)に独立した6809を搭載する贅沢なアーキテクチャを採用した。FM-8を祖とするこの設計は、マルチCPUとしてではなく、ホストCPUとグラフィック端末の関係にあり、サブCPUに処理の大きな表示周りの作業をさせることによるメインCPUの負担を軽減することに目的があった。また、このグラフィックスサブシステムの実装では、キャラクターコードをハードウェア的にフォントに展開するテキストVRAMを持たなかったため、ハードウェアによるスクロールが使えない画面モードでは、当時の処理速度と比較して広大なグラフィックVRAMを再描画する必要があり、リスト表示などでのスクロールのもたつきや、カーソルを移動するとその通り道にあったグラフィックも消えてしまうという制限も引き継いでいる。また、リアルタイムゲームが流行すると両システム間の転送容量に制限やタイムラグがあったこと、キーボードのスキャンを専用CPUに任せ、チャタリング除去なども行っているためにBREAK以外のキーでは押下した結果しか認識できず、ユーザの間ではリアルタイムゲーム向きではないとされ、議論になった。前述のとおり、任意のコードの実行を想定して設計されているわけではないサブシステムではあったが、サブシステムモニタ開発時、デバッグ用に実装されたメンテナンスコマンドの利用や、そのノウハウの蓄積、後述する内部技術資料の積極的な公開により、サブシステムで任意のプログラムを実行することで、描画の高速化や、高速にデータを転送するテクニックなどが考案され、ハードウェア的なキー入力の制限を除けば、競合機種と同等のゲームが発売されるようになっていった。
他社と同様、富士通も本体添付品や別売マニュアルという形でBIOS、I/Oアドレス、ファームウェア、システムコマンド等を積極的に公開した。また富士通の支援により、FMシリーズ専門誌『Oh!FM』(日本ソフトバンク、後の『Oh!FM TOWNS』)をはじめとして、技術評論社や工学社などから『活用マニュアル』などと呼ばれる良質なリファレンスマニュアルが多く出版された。またショウルームやサポートセンター経由では、内部技術資料なども必要に応じて比較的簡単に入手できた。
回路設計の問題としては、同等の音源を搭載した他機種に比較して、サウンド出力にデジタル回路からリークしたノイズも多く、音割れも見られた。
昭和60(1985)年、スペインのSECOINSA社という富士通に近い会社よりFM-7が販売されている。

従来機種との互換性:
FM-8との主な共通点
 キーボード一体型筐体。
 メモリマップ、I/Oマップ等の設計。
 サブシステムに関する機能、設計。
  メイン側とは128バイトの共有RAMを通じてコマンドやデータをやりとりする。
  表示画面(640×200ドット、8色。グラフィックスサブシステムによって、テキストもグラフィック画面へ
  描画される)。
   ハードウェアで画面の2ライン単位での縦スクロールが可能。
  キースキャンに専用4ビットマイコンを使用したキーボード。

FM-8との主な差異
 MPUクロックの高速化(メイン1.2MHz→2MHz、サブ1MHz→2MHz)。
  FM-8と同じ速度にするモードもある。
 ソフトウェア制御可能なF-BASIC ROMとRAMのバンク切替機能の追加。
  これはFM-8でROM-BASIC以外のOSを利用するためにDIP-SWにてBASIC ROMを切り離し全メモリ領域をRAM
  として利用するために用意されていた機構がソフトウェア制御にて可能になったもの。データレコーダからソフト
  ウェアをロードする当時のシステムで32KB多くRAM領域を確保できることは非常に有効であり、FM-7専用ゲー
  ムソフトがFM-8で動作しない大きな原因の一つにもなった。
 サウンド機能(PSG3声)、カラーパレット機能、マルチページ機能の追加。
 キーボードのメインCPU側からのBREAKキー以外のキーコード読み取り機能、キーボード割り込み機能を追加。
 拡張スロットを内蔵し、工具を使用せずにオプションカードの増設が可能。
  拡張スロット用カードとして、漢字ROMカード(JIS第一水準のみ搭載)、FDDインタフェースカード、RS-
  232Cカード、Z80 CPUカード、音声合成ボードなどが発売された。
 使用頻度の低いRS-232C、アナログ入力ポート、バブルカセットホルダ等の機能を削除。
  プリンタポート(パラレルポート)に接続するジョイスティックがいくつかのサードパーティーから発売されてい
  た。
  ごく初期にはFM-8互換のアナログ入力ポートを増設して接続するジョイスティックも発売されていた。
  後にFM音源カードが富士通純正のオプションとして発売され、これにはATARI仕様のジョイスティック端子も装
  備していた。
  RS-232Cインタフェース+漢字ROM+辞書ROMを搭載した日本語通信カードも、FM77AVシリーズ末期の時代に
  純正オプションとして発売された。
 キーボード専用マイコンの仕様改善。
 富士通から発売されたMSX規格パソコンであるFM-Xと連携動作を可能とするインタフェイスボードが発売されてい
 た。

基本仕様
 CPU: メイン MBL68B09(入力外部周波数4.9/8MHz切換機能付)、サブ MBL68B09(入力外部周波数4/8MHz切
 換機能付)
 ROM: F-BASIC 32KB、ブートローダ 2KB、サブシステムモニタ 8KB、キャラクタ 2KB
 RAM: メイン64KB(BASICでのフリーエリアは32KB)、サブ5KB、VRAM 48KB
 Text Mode: 80×20/25、40×20/25
 Graphic Mode: 640×200モノクロ3プレーン若しくはカラー1プレーン。パレット機能付き。
 Sound: PSG(AY-3-8910あるいはAY-3-8913などの相当品)
 電源(消費電力): AC100V 50/60Hz(最大70W)
 使用条件: 温度 0~35℃,湿度 20~80%,(ただし結露しない事)
本体添付品
 簡易言語 NEW VIPカセットテープ(表計算ソフト)
 簡易言語 NEW VIP操作マニュアル
 FM-7 ユーザーズマニュアル システム解説書
 FM-7 ユーザーズマニュアル システム仕様書
 FM-7 F-BASIC 文法書
 FM-7 F-BASIC ポケットブック
 FMシリーズ F-BASIC入門
オプション
 本体内蔵オプション
  MB22405 漢字ROMカード(JIS第一水準漢字ROM)
  MB22435 ひらがなROMカード
  MB22407 ミニフロッピィインタフェースカード
  MB28021 Z80カード(5"版 CP/M-80とのセット)
  MB22406 RS-232Cカード
  MB22436 マウスセット
  MB22437 音声合成カード
  MB22459 FM音源カード(YM2203搭載)
  FM77-101 日本語通信カード(RS-232Cインタフェース、JIS第一水準漢字ROM、辞書ROMを搭載)
 外部オプション
  MB26002 I/O拡張ユニット
  MB22439 MIDIアダプタ
 動作する主要OS
  OS-9/6809 Level 1
  FLEX
  CP/M-80(Z80カード使用時)

FM-7シリーズ
他のモデルのように実装機器による商品バリエーションは無いが、後期にリファインされた同等の機種が発売された。
 FM-7 [MB25010](昭和57(1982)年11月発売)126,000円。
 FM-NEW7 [MB25015](昭和59(1984)年5月発売)99,800円。
  FM-7の廉価モデル。ゲートアレイの利用により集積率を上げ、基板のサイズ、レイアウトは大幅に変更された
  他、ROM BASICなどで、バグが修正されている等の違いはあるが、機種としてはほぼ等価である。簡易言語
  NEW VIPの添付がなくなった。初期ロットではフロッピィディスクのステップレートを変更できる新ブートROM
  を搭載していたが、いくつかの市販ソフトが動作しない問題があったためすぐにFM-7のブートROMに戻された。

(以上、記事内容 Wikipedia:平成26年11月29日更新から)
[PR]
by fbox12 | 2015-02-20 19:09 | PC・ネット