fbox12 blog (博物館fbox12 館長の雑記帳)

B20形蒸気機関車

a0057057_10465747.jpgB20形蒸気機関車は、日本国有鉄道(国鉄)の前身である運輸通信省(のちの運輸省)が第二次世界大戦末期から終戦直後にかけて少数を製造した、主として入換え作業用の小型タンク式蒸気機関車である。
これほど小さな国鉄機関車は明治時代以来で、極めて異例といえる。戦時中に規格生産された産業用機関車の一種であり、本線用の国鉄制式機関車の系譜とは、本来全く無関係の存在である。
通常なら車両扱いされない「構内作業用機械」が、都合で鉄道車両扱いされて車籍を持った、という捉え方が本形式の実状に近い(類似例としては、私鉄路線に接続する専用線での入換作業や、自社内での保線・除雪作業用のモーターカーの一部に、車両扱いされて車籍を持ったものがある)。
なお、形式の「B20」とは、動軸2軸を有する(B型)の運転整備重量20トンの機関車という意味で、まさに産業用機関車の形式付与方法そのものである。国鉄制式蒸気機関車の形式付与体系と照らした場合、動軸数を表すアルファベット+タンク機を表す10 - 49という付与法則には一応合致しているが、B10形との間に存在すべきB11 - B19を飛ばしている形になる。
戦時中の設計・製造ゆえに実用上問題が多く、余りに小さ過ぎたこともあって用途が極端に限定されたこともあり、車齢の若いうちに多くが廃車されたが、15両製造されたうちの2両が保存され1両(10号機:写真)は現在自走可能状態にある。

太平洋戦争開戦直後の昭和16(1941)年12月、大手・中小の鉄道車両メーカー多数が国策によって「車両統制会」を設立、その管轄下で産業用の小型蒸気機関車・ガソリン機関車の統制規格生産を行うことになった。
技術的にさして見るべき所はなく、単純化された戦時設計で、あくまでも生産性重視の省力構造である。徹底した資材節約と工数削減化により一切の装飾が排除され、ドームやタンクは直線形態、仕上加工も省略するか最低限に抑えるなど、美観に対する配慮はほとんど見られない。最大の特徴は、ブレーキは自機用のみを装備する(通常は列車全体にブレーキを掛けて列車を止めるため、機関車のコンプレッサーの圧搾空気を供給してタンクに溜めて必要な時に制動力とする)ことで、強大なブレーキ力が必要な高速運転や長大編成牽引とは無縁であり、小運転なら機関車単機のブレーキでも制動可能と割り切ったものであった(本線用の機関車には、ブレーキ弁コックが列車全体用と機関車単体用の2つある)。

戦後、本来の使用目的の入換として使われたのは、横須賀の米海軍基地の貨車入換仕業に配置された 2、5、6、8号機など数両のみで、あとは各地の機関区に分散配置され、機関区での無火状態(自走不可)の機関車の入換えや、機関区構内での石炭輸送などで細々と使用されているに過ぎなかった。
造形のため材質・工作は良くなく、国鉄機関車としては特殊過ぎることもあって、早期に整理されることになった。国鉄蒸気機関車全廃まで使用されたものは、小樽築港機関区所属の1号機と鹿児島機関区所属の10号機があるに過ぎない(末期は実用機というよりマスコット的な位置づけだった)。

a0057057_10510972.jpg保存機:
1号機 - 北海道岩見沢市国鉄万字線朝日駅跡「万字線鉄道公園」に静態保存
10号機 - 京都市梅小路蒸気機関車館に動態保存(写真)

 昭和21(1946)年に立山重工業(富山市)製造後、新製配置は姫路第一機関区で、その在籍中の昭和23(1948)年1月から7月までは大和鉄道(近鉄田原本線の前身)に貸し出されていた。昭和24(1949)年6月に鹿児島機関区に移動した。鹿児島機関区在籍末期にイベント走行でB20+C55+C12+8620形という編成で本線の営業列車を牽引したことがあるが、通常、本線走行は法規的に不可能であった。幸運にも1970年代初頭まで同区に残り、昭和47(1972)年に梅小路機関車館に納められた。

当初は動態保存対象機であったが、入館当初、数回火が入ったものの、以後は殆ど動くことがないまま昭和54年(1979)年3月31日付で車籍を失い完全に静態保存となった。

平成13(2002)年には、梅小路機関車館開館30周年記念事業の一環とJR西日本発足15周年を迎えるにあたってのビッグイベントとして、数十人のボランティアの手を借りて動態復元されることとなり、5月から修繕工事を施されて再び自走可能となり、同年10月12日に動態復元完成式が行なわれた。大型機関車揃いの梅小路におけるマスコットとなっている。車籍は無く展示走行用備品扱いであるが、梅小路運転区に在籍するDE11形ディーゼル機関車と共に、火の入っていない蒸気機関車の移動などに用いられており、復活後も本来の役目を担っている。
「きかんしゃトーマス」にも似た小柄さから子供たちにも人気があり、「豆タンク」の愛称で親しまれている。

平成17(2006)年、「梅小路の蒸気機関車群と関連施設」として、準鉄道記念物に指定された。

(以上、記事内容 Wikipedia から)(11車両4)


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by fbox12 | 2014-06-07 10:56 | 鉄道・バス