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第壱 伊豆山神社 静岡県熱海市鎮座

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a0057057_16322868.pngいずさんじんじゃ

鎮座地:静岡県熱海市伊豆山上野地708番地1
祭神:
 正哉吾勝勝速日天忍穂耳尊
 拷幡千千姫尊
 瓊瓊杵尊
社格等:旧国幣小社、神社本庁別表神社
社殿:


a0057057_16141420.png概要:
全国各地に点在する伊豆山神社や伊豆神社(いずじんじゃ)、走湯神社(そうとうじんじゃ、はしりゆじんじゃ)などの起源となった事実上の総本社格の社である。

当社は明治以前においては久しく神仏習合の社であって、富士開山の僧である末代上人や、修験道の始祖とされる役小角、空海(弘法大師)など多くの山嶽仏教徒や修験者が修行を積んだ霊場であった。後白河法皇勅撰の「梁塵秘抄」には「四方の霊験者は伊豆の走湯、信濃の戸穏、駿河の富士山、伯耆の大山」と記されている。
a0057057_1805755.pnga0057057_22005597.png明治維新の神仏分離令により寺を分離して伊豆山神社と称するまでは、天台宗や真言宗と関わりの深い神仏習合の神社であり、現在地へ遷座して以降は主に、高野山真言宗である般若院(はんにゃいん)の別当寺が伊豆大権現と等しく祀られていた。
しかし、
 勢力間の主導権争いなどによって度々祭神や由緒が改竄されたこと
 神仏分離の混乱や数度にわたる火災などで史料が逸失したこと
などから山の歴史には不明点が多く、調査・研究が待たれる。
なお、頼朝と政子の恋の舞台であったため、現在も縁結びや恋愛成就の神社として人気がある。
(下線部分の記述については、参考資料原文のまま)

歴史:
創建の年代は不詳だが、社伝によれば孝昭天皇の時代(紀元前5世紀~紀元前4世紀)とされる。古くは以下の名で呼ばれた。
 伊豆大権現(いずだいごんげん)
 伊豆御宮(いずおんみや)
 伊豆山(いずさん)
 走湯大権現(そうとうだいごんげん、麓の海岸に点在した温泉・間歇泉に由来し、推古天皇3(594)年に朝廷から贈られた名とされる)
 走湯山(そうとうさん)

a0057057_20264256.pnga0057057_2031392.png当初は日金山(ひがねさん:久地良山、万葉集にいう伊豆高嶺)の山上にあった。その後については諸説があるが、本宮山(ほんぐうさん)を経て、承和3(836)年に甲斐国の僧・賢安により現在地へ遷座したとの説が有力である。
十六代仁徳天皇が勅願所としたとされるため歴代皇族の崇敬が篤く、二十二代清寧、三十代敏達、三十三代推古、三十六代孝徳、百五代後奈良の六天皇の勅願所となったと社伝に謳われており、特に後奈良天皇は自筆の般若心経一巻(昭和2(1927)年国宝指定、現重要文化財)を奉納している。
源頼朝は平治の乱の後伊豆國に配流されたとき、当社に源氏再興を祈願した。この間有力豪族の伊東祐親に追われて当社に身を寄せたり、小豪族の娘であった北條政子との逢瀬の場にするなど関わりが深く、後に鎌倉幕府を開くと箱根とともに当社を「二所」として、幕府の最高の崇敬を示す「関八州鎮護」として多くの社領を寄進した。南北朝時代の「寺領知行地注文」によれば、遠くは越州に至るまで数多くの知行地を所有したとされるなど、この時期、当社が最盛期を迎えていたことがうかがわれる。
戦国時代、小田原北条氏(早雲、氏綱、氏康)の篤い崇敬を受けたが、豊臣秀吉の小田原征伐で焼失した(一説では、その張本人は徳川家康とされる)。
a0057057_21102697.png江戸時代に入ると山麓の阿多湊(または阿多美の郷)が湯治場として名高くなり、徳川家康はじめ多くの大名や文化人たちが訪れた。焼失していた当社は再建され、江戸幕府からは文禄3年伊豆國加増も葛見郡のうち二百石を、慶長14年には関ヶ原の戦いでの勝利の礼として百石を、それぞれ朱印領として寄進され、以後、代々の将軍からも同様に寄進を受けた。
神仏分離後の大正3(1914)年1月13日、当時皇太子であった昭和天皇が当社に参拝、本殿脇に黒松一株を手植した。
大正7(1918)年、宮内省から金参萬円を支給される。
昭和3(1928)年の昭和天皇御大典の際に国幣小社に列し、秩父、高松、久邇、伏見、山階、賀陽、東伏見の各宮家から金壱封を、梨本宮家からは日本刀一口及び槍一筋、祭祀料の寄進を受けた。
第二次世界大戦後に社格制度が廃止されて以降は別表神社とされ、宗教法人化された。
昭和55(1980)年9月12日、現東宮浩宮徳仁親王が参拝する。また、同年、童画家黒崎義介が拝殿の天井画390枚を奉納した。

赤白二龍
『走湯山縁起』に、「伊豆山の地下に赤白二龍交和して臥す。その尾を箱根の芦ノ湖に付け、その頭は伊豆山の地底にあり、温泉の湧く所はこの龍の両眼二耳鼻穴口中なり」と記載があり、伊豆山神社の「伊豆山大神」が、赤龍と白龍の二龍の姿となって、温泉を生み出す様が描かれているとされる。赤龍は火の力、白龍は水の力を操るとされ、二龍は温泉の守護神ともされる。
この「赤白二龍」(せきびゃくにりゅう)は、伊豆山神社のシンボルとされ、社殿の手前にある手水舎にも、二龍をかたどった装飾がみられる。伊豆山神社が縁結びの神社ともされることから、赤龍を母親、白龍を父親とみなし、あわせて夫婦和合や縁結びの象徴ともしている。

境内社:
本宮社

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ほんぐうしゃ
鎮座地:静岡県熱海市伊豆山七尾
祭神:正哉吾勝勝速日天忍穂耳尊、拷幡千千姫尊、瓊瓊杵尊

仁徳天皇の御代に松葉仙人が神鏡を崇め、社を造り日金山に祀り、後に社はこの地に移され祀られてきた。さらに承和3(836)年に今の伊豆山神社の社を建造し遷座したため、残った二番目の社が現在の本宮社となった。
江戸時代初期には広さ東西五間、南北三間半の拝殿、鳥居三ヶ所、付近に求聞持堂、東西三間南北二間の建物等を有したが、江戸時代後期の野火により全焼し、現在は石鳥居一基、拝殿が一棟建っているのみ。


結明神本社(むすびみょうじんほんしゃ)
御祭神:結明神(日精・月精)

走湯山縁起によれば景行天皇の三十一年、日金山の大杉の中より一男一女が出生した。初島の初木神社の祭神である初木姫が二子を引き取り育てたが、時を経ずしてたちまち成長し、一女を日精、一男を月精と号した。後に二人は夫婦となり、日金山に仕えて「伊豆権現氏人之祖」となったと云う。
日精・月精その終没を不知(富士山)から神上がったと記され、後の人たちより結明神として仰がれ祀られたと伝られる。
祭神は男女の縁結びを叶えてくれる神で古くは一名恋祭りという神事があり、各地から集まった若い男女の参列を得て行われていたことが伝えられている。


白山神社(はくさんじんじゃ)
御祭神:菊理媛命

伊豆山記、走湯山記によれば、天平元年夏、東国に疫病が流行した際、北条の祭主が伊豆権現に祈願したところ「悪行のなす所、救いの術なし、これ白山の神威を頼むべし」との神託があり、猛暑の頃であったにもかかわらず、一夜のうちに石蔵谷(白山神社鎮座地)に雪が降り積もり、幾日経っても消えず、病人がこの雪をなめたところ、病苦がたちどころに平癒したことから、この御社が創立された。
古来より、病気平癒、厄難消除の神として厚い信仰を集めている。


摂社 雷電社(らいでんしゃ)(若宮)
a0057057_16463770.png御祭神:伊豆大神荒魂、雷電童子(瓊瓊杵尊)

創立年代は不詳。吾妻鏡に「光の宮」と別名があり、鎌倉幕府三代将軍源實朝が再興し、その後暦応四年に足利氏が、慶長十七年に徳川二代将軍秀忠が改築、現社殿は昭和十(1935)年に内務省によって改築された。
政治を司り導く神として、源頼朝を始め歴代の将軍家の崇敬が厚く、室町時代には多数の社領を有していた。
事業、経営、商売繁盛、心願成就、良縁成就、家内安全、夫婦円満、子孫繁栄など、強い神威を持つ神である。

結明神社(むすびみょうじんしゃ)
a0057057_178739.png御祭神:結明神(日精・月精)

子恋の森公園上(伊豆山七尾)にむすぶ平らに鎮座する本社の里宮。

役小角社(えんのおづぬしゃ:足立権現社(あしだてごんげんしゃ))
御祭神:役小角(神変大菩薩、役優婆塞(えんのうばそく))

舒明天皇六(634)年、大和の葛城上郡茅原に生まれ神仏両道に渉り行を積み深く学を究め孔省咒法修習、奇異の験術を証、また日本国中の名山高山を開き登り、修験道の祖、開山の祖とも仰がれる。
文武天皇三年、伊豆大島に流刑にされた折、昼は皇命を慎み、夜は飛行の術を駆使し伊豆大権現に飛び来て修行重ねたと伝えられる、大島に在ること三年、大宝元年勅名を以って許され大和に還ったが遂に仙人と化って唐に渡ったといわれる、役小角隠れ給ひてより千百余年後、光格天皇の寛政十一(1799)年その神徳を讃えられて神変大菩薩の神号を賜う。
当社は運命開拓の神なり、また古くから足の病に悩める者、足腰弱き者、祈願致さば神護を享けて強足となるという信仰がある。


祖霊社(それいしゃ)
a0057057_15534035.png御祭神:伊豆大権現氏人祖霊

先祖の御霊を祀る社で、伊豆山の人々の守護神として景仰されている。

境外社 走湯神社


(参考資料:伊豆山神社ホームページ、神社由緒書き、Wikipedia 平成27(2015)年5月24日更新)

記事投稿:
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by fbox12 | 2017-07-14 16:01 | 神社